海外で医療者への道!Vol.5なぜオランダなのか?【留学先の決め方】

海外で歯科医師として働く


「なんでオランダなの?」

この質問はよくされます。オランダの患者さんからもよく聞かれます。笑

結論から言うと、良い出会いに恵まれたからです。

言い方を変えれば、たまたま、偶然、とも言えます。

オランダが目的であったわけではありません、そこに働きたい環境があった、と言うことです。

そういう目的地の決め方があっても良いと思っています。

目次
1.留学先の決め方

=私の場合=
2.貴重な出会い
3.オランダの病院見学
4. 決意

留学先の決め方


留学に行くことを決めてから、目的地を決める。

行きたい国があって、後からそこへの留学を決める。

どちらでも良いと思います。

私の場合は前者でした。

留学先の決め方にはいろいろあると思います。

・単純に行きたい国へいく
・学びたいことが進んでいる国へいく
・憧れる人がいるところへいく
・人からの紹介でいく
・言語で選ぶ
・物価で選ぶ

などです。

私の場合は、人(当時の上司)からの紹介で最初の留学はドイツに決まりました。

そのドイツでの出会いのお陰で今はオランダにいます。

その辺りについてい少しご紹介いたします。


貴重な出会い


ドイツ留学中に思いがけない貴重な出会いがありました。

ドイツ留学中のある日のことです。
私はドイツの顎顔面口腔外科学会に参加していました。

学会1日目の終わりにレセプションパーティーのようなものがあり食べ物が振る舞われていました。

その会場で予想もしていなかった日本人の口腔外科医の先生(以後Y先生と記載)とお会いしたのです。

Y先生はその時オランダのマーストリヒト大学病院に留学されていたのです。

こんなところで日本人と会うとは思ってもいなかったこともあり、その日のみならず、翌日もY先生といろいろな話をさせていただきました。

当時留学していたドイツのレーゲンスブルク大学病院には日本人の留学生や、日本人ドクターはおらず、ある意味日本人に飢えていました。

ダムが決壊したかの如く、私はさまざまな不安や思い、違和感などを喋り尽くしたことをおぼえています。

Y先生は、それらの全てを聞き流すことなく、大きな器で受け止め、さまざまな助言を下さいました。

人間力が高いとはこういうことなんだな、と痛感した瞬間でした。

その流れでY先生が、留学していた講座の教授を紹介してくださり、いつでも見学に来て良いというお言葉をいただきました。

後日、私はドイツのレーゲンスブルクからオランダのマーストリヒトへ行き、4週間見学させていただきました。


オランダの病院見学


マーストリヒト大学病院の見学は最初2週間で予定していましたが、あまりに居心地がよく急遽4週間に伸ばしました。

滞在中は病院の空いている当直室を宿として使わせていただきました。

夕飯は毎晩のようにY先生のお宅でお世話になりました。

マーストリヒト大学病院の講座の雰囲気はドイツのそれとは全く違っていました。ドイツの病院では縦のヒエラルキーがかなりしっかりしていて、教授とは雲の上の存在という感じでした。

マーストリヒトの講座ではいい意味で縦のヒエラルキーがなく、個々の存在が驚くくらい尊重されている雰囲気でした。外来処置についてた日、お昼の休憩の際に控え室で、教授が自らそこにいたスタッフにコーヒーを淹れてくださったことがありました。この時は流石に驚きが顔に出てしまいました。「教授に入れてもらったコーヒーを飲むのは初めてか?」というようなジョークを言われたことを覚えています。

もちろん、既にそこにY先生が滞在していたが故に、良くしていただけたということはありますが、それを加味しても、アットーホームでありながら個々がしっかりしている医局の雰囲気に完全に魅せられてしまいました。

決してドイツでの生活にネガティブな印象を持っていたわけではありません。ただ、ドイツで孤軍奮闘しながら居場所探しに一杯一杯だった当時の私には、オランダでの経験が、乾いた大地に水が染み渡るかのような感覚だったのです。


決意


4週間のオランダ滞在が終わる頃、もしまたヨーロッパに戻ることがあるとしたら、その時の目的地はこの病院になるな、そう感じました。

それ以後もY先生には懇意にしていただきました。日本に帰国後もいろいろな会合にお声がけをいただきました。そしてオランダの教授ともコンタクトを取り続けました。

日本に帰国した私は、ドイツで経験した貴重な体験を基に、その先を見てみたいという想いを増幅させる日々を送りました。そしてほどなくしてオランダ行きを決意しました。

またあの病院で、あの教授のもとで、あの医局員たちと再開し、今度は一緒に”診療をしたい”。

そう明確に思ったのです。

今度行くときは、期間限定の”留学”ではなく、背水の陣だと心に決めました。

これが、今、私がオランダにいる経緯です。


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