マーストリヒトはいよいよカーニバル突入です。
カーニバル休暇というものがある程です。
学校も会社も休みにして、市民みんなで祝うカーニバルとは一体何なのでしょう?
⒈ カーニバルって? |
カーニバル(Carnival)の名前の由来はラテン語の”Carne Levare”、またはイタリア語の”Carne lavare”とされています。これは “farewell to the flesh” または “taking away the flesh” と訳され ” 肉との別れ(謝肉祭) ” という意味です。
昔は、旧年の11月に食料としての家畜が屠殺され、その肉を食べて冬を越しました。しかし、その頃収穫された肉やラード、バターといった食料はそろそろ腐り始める時期に入ります。そのため、それらの食料を残らず食べ尽くして、再び春が来て豊作に恵まれることを願って祭りをしました。
この祭りで、今ある食料を全て食べ尽くしその後の断食期間へと供えたのだそうです。この断食期間は四旬節と言って40日間続きます。その始まりの日をAsh Wednesday と言います。カーニバルは、このキリスト教の休日である灰の水曜日(Ash Wednesday)とそこから始まる四旬節(断食)に先立つ3日間で祝われます。
カーニバルの正式な日程は、四旬節の次に来る復活祭の日曜日(イースター・Easter)から数えて6週間前の日曜日を開始日として3日間です。
復活祭(Easter)は3月21日以降の満月の後の最初の日曜日に開催されます。よって早くて3月22日、遅くて4月25日にEaster Dayが設定されます。そこから数えて6週間前の日曜日がカーニバルの開始日になるわけです。したがって、カーニバルの日程も毎年変わります。今年は2017年2月26日〜28日です。
近年では、このカーニバル開始の日曜日の前々日の金曜日からお祭り騒ぎが始まります。金曜日の午後には学校も会社もお休みに入るところが多く、翌週の灰の水曜日(Ash Wednesday)までの6日間がカーニバル休暇になるのです。
つまり
・カーニバル前夜祭(金土)
・カーニバル(日月火)
・灰の水曜日(水)
・四旬節(40日)
・イースター(復活祭・日)
という流れです。
考古学の観点からいうと、カーニバルは逆転の儀式の側面もあるようです。社会における役割の逆転が起きて、普段求められる振る舞いへの規範が取りはらわれます。仕事も秩序も取っ払って、みんなでお祭り騒ぎをしようというムードです。したがって、カーニバルの間は、パブやカフェ以外はほぼクローズし、道も閉鎖され町中に仮装した人々が溢れかえって祝うのです。町中のバス停も、カーニバル中は機能しないという張り紙がしてありまた。
⒉ カーニバルへの意気込みが凄い |
カーニバルを祝うために町中に繰り出す際には、みんな顔にペイントをしたり、仮装をしていきます。仮装の気合の入りようがもの凄いです。むしろ、普段着で参加すると浮いてしまって恥ずかしいくらいだそうです。
そのため、街中にはカーニバル専門店が数点あります。仮装用の衣装や備品、顔のペイント用品を取り扱っており、カーニバル直前は大混雑です。
カーニバルの様子がわかる動画もありました。
マーストリヒト市が作成したカーニバルの準備とカーニバル本番、そしてその後を映し出した格好良い動画があります。これを見るとその意気込みが伝わってきます。↓↓
自分が住んでいるアパート前のVrijthof広場もカーニバルの主要な会場の一つです。この動画によると、そこには196個の簡易男性トイレ、91個の個室トイレ、4320リットル分のゴミ箱、43のBarスタンドが設置されます。この会場の準備だけでも300人以上が携わるそうです。そして日中から夜通しお祭りが行われます。明け方には街中に散乱したカップや飲み物のゴミを清掃員の方々が掃除してくれます。この徹底したお祭りへの挑み方には感心するものがあります。
こちらの動画ではパレードの様子がみられます。
オランダに来て初めてのカーニバルです。
ちなみに、このカーニバルは、オランダではオランダ南部でしか行われません。オランダ南部のリンブルフと北ブラバント地方、ゼーラントの一部などです。
今は、金曜日の午前中です。今夜から週末のカーニバル本番にかけて今から楽しみです。
カーニバルに合わせてオランダ旅行を計画するのも良いかもしれませんね。
【今日のオランダ語】
我々はカーニバルを祝います。
Wij vieren het carnaval.
(ヴェイ フィーレン ヘトゥ カルナヴァル)