今更ながら鈎持ちの日々です。
今更を今やる意味について考えてみました。
⒈ 今更なこと |
今更はどちらかというと負のイメージが強いです。
・今更聞けない〇〇な質問
・今更戻れない
・今更できない
全て、今更+否定文 です。
職場で地位や名誉が上がっていけば、担う役割も変わってきます。
上へ行くにつれて新たな仕事が増え、と同時にやらなくなる仕事も増えます。
そして自分がやらなくなった仕事は、下っ端や後輩、若手が担うようになります。
日本で組織に生きている以上は、そういう年功序列的なしきたりはあらゆるところで見受けられます。
こうして勤続年数や経験が増えるに従って、”今更”なことも増えていくのが自然の流れでしょう。
自分は日本で口腔外科医として12年働きました。大学卒業後12年(現在卒後13年目)ともなれば、大学病院や総合病院の口腔外科勤務の場合は大抵は中堅どころを担うようになっています。また独立し開業をする者も多いでしょう。
当然、後輩や従業員を持つようになります。それに伴い、新たな義務が生まれ、今更なことも増えていきます。
年数が経つにつれて、年功序列ルールが働けば徐々に ”やらない” もしくは ”やる必要がない” ことが増えてきます。
よくも悪くもこの ”やらない” もしくは ”やる必要がない” ことは、やる ”機会が巡ってこない” ことなのです。
場合によってはやりたくてもその機会がもらえない事もあるかもしれません。
その結果、”今更聞けいない〇〇な質問”のようなものが増えていくのです。
現在オランダの病院に留学中の自分には、今更なことをする機会が沢山あります。
⒉ 今更を今できる意味 |
オランダにいる今、自分が日本で12年間の臨床口腔外科医としての経験があることは大したベネフィットではありません。(いや、ベネフォットはもちろんあるのですが、そっくりそのまま日本と同じ待遇にはならないという意味です。)
受けてきた教育の充足度のチェック、日本の歯科医師免許の評価、語学力の習得そして証明、医師免許の取得それらを満たして初めていっちょまえに認めてもらうための土俵に上がれるというものです。
従って、今はやらせていただけることを一生懸命やるだけです。
当然下っ端として研鑽を積む日々となります。
こうして、今更にして消毒、ドレーピング、第2助手、第1助手などの下働きをする機会に恵まれています。
しかし、この今更なことがらには往々にして全てに通ずる基礎だったり基盤が詰まっています。
それらを今一度振り返って再確認、再認識できることは非常に大きな意味があります。
そう、今更なことには実は結構忘れていることや、注視しなくなっていた大事なことが含まれていたりするものです。
もしくはよく解らないまま、うやむやで来てしまって今更聞けないこともあるかもしれません。
今まで自分では気づいていなかっただけで、今更ながらに自分が不勉強であった部分も浮き彫りにされます。
実は ”今更” には
・適切な時期にしておけばよかったのに。今となっては遅過ぎるという気持ちを表す。
という負なイメージの意味とは別に、
・今初めて。新しく。
の意味もあります。
今更なことを今して、今更(新しい)な発見をするのも自分の向上につながるよい方法だと思います。
今更とバカにせず、今更な発見のために基本に戻る時間を持って見てはいかかでしょう?
【今日のオランダ語】
雪の中、今日は電車の運行本数が少ないです。
Door de sneeuw reden er vandaag minder treinen.
(ドール ドゥ スネーウ レーデン エア ヴァンダッハ ミンダー トゥレイネン)