メディカルイラストレーション・レイヤー分けの実例紹介・こうして1枚の絵は出来ている!

小山慶介 イラスト イラスト

1枚のイラストが、実は何重にも重なるレイヤーで構成されている事は珍しくありません。

実例を挙げて解説してみました。

 

 

⒈ 1枚のイラストは1枚で出来ているとは限らない

 

完成したイラストはどっからどう見ても1枚の絵です。

印刷すれば尚更、1枚の紙に描かれた絵です。

しかし、制作過程では何枚ものレイヤー(層・紙)が重なりあって絵を構成していることが良くあります。

というか、ほとんどがそうだと思います。

 

↓レイヤーの基本についてはこちらの記事をどうぞ↓

レイヤーに分けて描くとは?レイヤーを使ってイラスト作業を効率化しよう!

 

下書き、ペン入れ、色塗りのように、通常は幾つかのレイヤーに分けて描かれています。

 

このレイヤーは、少ないほど良いとか多いほうが良いということではありませんが、

大抵は大作になればなるほどレイヤーの数は増えていきます。

書き手によっても多少違いがあるとも思います。

 

では、実際にデジタルツールで描かれたイラストがどのようなレイヤー構成になっているのか、

実際に見みましょう。

 

 

⒉ レイヤ構成の実例・メディカルイラストレーション

 

先日アップ↓↓した、本の表紙用に描いたイラストを例に見てみましょう。

イラスト提供実績・同僚のプロモーションブック表表紙・下顎枝矢状分割イラスト

 

完成品はこんな感じです。

小山慶介 絵を描く口腔外科医 イラスト

 

 

 

こちらのイラストの構成を見ていきましょう。

実はこのイラスト、14枚のレイヤーから構成されています。

 

最初に、大まかに3つのレイヤーに分けられます。

・顔(軟組織)
・上顎
・下顎

の3つです。

 

小山慶介 イラスト
小山慶介 イラスト

 

 

カラーを抜き取って見てみましょう。

小山慶介 イラスト

 

 

小山慶介 イラスト

下顎

小山慶介 イラスト

上顎

小山慶介 イラスト

軟組織

 

 

このイラストでは下顎がメインパートにっているので、

下顎はさらに細かくレイヤー分けして描いています。

 

下顎骨パートは

・メインの下顎骨
・分割された下顎枝
・下顎枝内側水平面の骨髄の描写
・チゼル

に分かれています。

 

小山慶介 イラスト

 

 

 

そして、このそれぞれのレイヤーの下に色塗りのレイヤーも追加されます。

 

小山慶介 イラスト
小山慶介 イラスト

 

 

このように、

下顎骨パートだけで8枚のレイヤーが存在します。

 

ここに、上顎、軟組織、そして各パートの色、最後に背景を足すと13枚のレイヤーです。

完成品の段階では表示されていませんが、

本来は下書きのレイヤーもあるので、合計14枚のレイヤーとなります。

 

全部のレイヤーを表しすると下左のようになります。

このレイヤーの束を全部重ねて、トントンと角を揃えたものが右です。

 

 

小山慶介 イラスト
小山慶介 イラスト

 

 

⒊ まとめ

 

1枚のイラストといえど、多くのレイヤーで構成されていることがわかります。

レイヤー機能はとても便利で、基本的には作業を効率化してくれるものです。

しかし、大作になればなるほどレイヤーの数は増えていきます。

レイヤーの数が数十枚にもなると、さすがに把握と管理が大変です。

 

1枚のイラストが幾重にも重なるレイヤーからできている実例でした。

そういう見方で見ると、イラスト鑑賞の違った楽しみ方ができるかもしれません。

 

 

【今日のオランダ語】
訪ねてきてくれてありがとう!
Het was leuk dat jullie er waren!
(ヘット ヴァス ルーク ダットゥ ユリィ エア バーレン)