オランダ語を勉強していて、面白い話に出会いました。
言語の起源を少し知るだけで、語学が格段に面白くなります。
英語の単語数がオランダ語やドイツ語、フランス語に比べて多い理由もわかります。
⒈ オランダ語の起源はゲルマン語 |
オランダ語ってどんな言葉?という問いには
「英語とドイツ語の中間みたいな言葉」と言う返答をよく見聞きします。
つまり、
英語ーオランダ語ードイツ語
は似ている部分があるということです。
それもそのはず、
この3言語(英語ーオランダ語ードイツ語)の起源はゲルマン語だからです。
オランダはドイツの隣国ですから、
立地的に見ても、ゲルマン語の影響をゴリゴリに受けています。
ですから、オランダ人はドイツ語を知らなくとも、
会話の40%〜50%くらいは推測できるとも言います。
一方で、英語にはまた別の言語の影響があるのです。
⒉ 英語の起源はゲルマン語とノルマン語 |
ゲルマン語が起源とされる英語ですが、
途中でノルマン語の影響を多大に受けています。
なんと、現代英単語の
35%がゲルマン語(ドイツ語・オランダ語)
65%がノルマン語(フランス語)
由来だそうです。
というのも、元来イギリスで話されていた英語はゲルマン語由来でした。
しかし、1066年のWilliam The Conqueror によって、
イギリスはフランス人に征服されます。
これによって、イギリスを統治する上流階級はフランス人になり、
主にフランス語が使用されたため、英語に大量のフランス語が流入したのです。
こうして、ゲルマン語とノルマン語が入り混じって出来上がったのが、
現代の英語ということになります。
⒊ だから英語には沢山の単語が存在する |
少し例を見てみましょう。
フランス語 英語 オランダ語
transformation transformation verandering 変形
chaussures shoe schoen 靴
work werk 仕事
travail travail 仕事・骨折り苦労
青字はノルマン(フランス語)由来、
オレンジはゲルマン(ドイツ語・オランダ語)由来ということがよくわかります。
しかし、「仕事」と言う単語を見てみると、
英語にはゲルマン語とノルマン語から入ってきた言葉が両方残っています。
このような例は沢山あります。
「歩く」に関する単語も、英語には walk(歩く), march(後進する), elope(逃げる)などがあります。
それぞれ由来を見てみると、
フランス語 英語 オランダ語
walk wandelen
marcher march
elope lopen
となります。
このように、ゲルマンとノルマン両方の言語が残ったため、
英語には沢山の単語が生まれたのです。
もう一つ面白いことは、
当時のゲルマン人とノルマン人の地位の差が
英単語にも表れていることです。
「牛などの家畜」に関する単語を見てみましょう。
英語の子牛calf、豚 swine、雄牛 ox は、
ドイツ語のKalb、Schwein、Ochs にあたります。
しかし、食用になると、
英語の子牛veal、豚 pork、雄牛 beef は、
フランス語のveau、porc、boeuf にあたります。
つまり、平民のゲルマン人が育てた家畜を、
支配者階級のノルマン人が食べていた。
と言う図式が英単語からも見て取れるのです。
面白いですね!!
【今日のオランダ語】
北海道は日本で最も北にある島です。
Hokkaido is het meest noordelijke eiland van Japan.
(ホッカイド イス ヘット メースト ノールデリック エイランドゥ ファン ヤパン)