上手な似顔絵の楽で難しい面・似顔絵の持つ表裏一体性

イラスト
似顔絵作成時に思う表裏一体性があります。
上手に描きたいが故に存在する楽で難しい面です。

 

⒈ 楽な面:既存の対象を真似して描けばいい

 

楽な面は

・似顔絵は描く対象が決まっており、ゼロからアイディアをひねり出す必要性がない。
・その性質上、その対象をとにかく模倣(真似)して描けば良い、ある意味単純な作業である。

です。

似顔絵は、目の前に必ずお手本となる写真や資料があるはずです。
どの写真で描くかを決めるにはまた、様々なポイントがありますが、写真が決まりさえすれば、あとはそれを見て描けばいいのです。
何を描くかを考え出す、という要素はそこにありません。
常にお手本があるわけです。そしてそれを真似して書けば良いのです。
描くオブジェクトそのものを考え出す独自性は必要ないのです。これが楽です。

また似顔絵は、似ていればそれだけで良い作品となります。
以前、別の記事でも触れました。↓

似顔絵を描くポイント3つ・絵が得意と似顔絵が得意はイコールではない

 

絵そのものの上手い下手以前に、似ているか似ていないかが重要です。
言い換えれば、写真や資料を一生懸命真似すればいいわけです。
模倣です。
真似や模倣が大前提の作品作りなんて、似顔絵くらいじゃないでしょうか。

以上が楽な面です。

 

 

⒉ 難しい面:とことん似てなきゃ意味がない

 

難しい面は

反面、似ていなければ似顔絵として機能しないことです。
絵のタッチ、作風よりもまずは似ている似てないが最優先事項です。

まして、人様に依頼されて描く以上は、何となく似ているではダメです。
パッと見て考える余地なく直ぐに、似ている!!と思える似顔絵を常に目指しています。

「言われれば似ている」とか「まぁ、〇〇さん、て分かるけどねぇ」といった微妙な反応では似顔絵の意義が果たせていません。それでは単なる、人物画になってしまいます。

似ている度合いを数値で表せるのだとしたら、90%、95%、それ以上の高得点を出さなければ納品できません。
満点はないにせよ、絵でありながら似ている度合い100%に近い作品を目指して常に描いています。
この「似顔絵として許容される」ではなく、「似顔絵として君臨する」ための振り幅が少ないところが難しい面です。

 

追伸
アイディアを考え出す必要性がないのは、メインの顔に関してです。体の部分や背景を足す場合には、そこに自身のアイディアを盛り込みます。
これによっても、描き手のスタイルや作風を表現することができます。

 

【今日のオランダ語】
楽と困難は紙一重(表裏一体)だ。
Makkelijk en moeilijk hebben bijna dezelfde kant.
(マッケリック エン ムイリック ヘベン ベイナ ドゥゼルフデ カントゥ)