楽しいイベントごとには準備や後片付けはつきものです。
マーストリヒトで行われたカーニバルも例外ではありません。
まして、街をあげてのお祭りですから、準備も後片付けも大変なはずです。
そんな裏側を少し覗いてみましょう。
⒈ 木のボード |
カーニバル中にいたるところで目に付いたのが、木のボードです。
ショウウィンドウや、窓ガラス、建物の入り口の扉が木のボードで覆われています。そういう光景をあちこちで見かけます。中にはボードにイラストや模様を書いてあるものもあります。
カーニバルの最中は尋常でない数の人々が街に繰り出します。みんな飲んで騒いで楽しむわけです。パレードだって行われます。その最中に、不意なことから窓ガラスやショウウィンドウが破損しないために防護するためのものです。
また、パーティー用スプレーがよく使用されます。
↓こういうやつです↓
時々、建物の壁や窓、看板などにも吹き付けられてしまうこともあるようです。それらをブロックする意味合いもあるようです。
スプレーの使用を禁止するのではなく、あくまでカーニバルを思う存分楽しむスタンスは個人の裁量に任せつつ、意図せぬ危害には各々が予防をするというスタンスです。伝統的なイベントを萎縮させることなく楽しむコツなのだなと思いました。
時に、建物入口のステップにもボードで防護している光景も目にします。これは、お小水対策だそうです。もちろん街のいたるところに臨時の簡易トイレが設置されてはいますが、それでも、、、という場合に備えた自己防衛手段の徹底さに驚きました。
⒉ 簡易トイレ増設 |
カーニバルの最中は基本的にパブやカフェなどの飲食店以外は店は閉まっています。パブも全てが営業しているわけではありません。店内のトイレは営業していれば使用できますが、とてもじゃないけど足りません。
そこで、簡易トイレがいたるところに設置されています。
伝統的なカーニバルカラー(赤、黄、緑)の男性用トイレと、個室トイレが設置されています。設置も回収も大変な労力だと思います。
簡易男性トイレは約200個、個室トイレは約100個ほど設置されるそうです。
⒊ プラスチックコップ |
カーニバル中にバースタンドや、パブ、カフェで提供される飲み物はすべて共通のプラスチックコップに統一されます。このプラスチックコップには市のロゴが入っています。市から支給されるのでしょうか?
これは、広場や通りにガラスの破片が散らばると危ないので数年前から徹底されたそうです。以前は、ビールの味が変わる、グラスで飲みたいという声もあったそうですが、今はプラスチックに徹底されています。
さらに、自分でスーパーなどで買った飲み物を飲んでいる場合も、缶は大丈夫ですが、瓶を持って歩いていると没収されてしまう光景も目にしました。
⒋ ゴミ箱はあるけれど |
カーニバル最中には、4320リットル分のゴミ箱が増設されます。どれでも、広場や通りは一晩でものすごい量のゴミで散らかります。もはやそれで良いというか想定範囲内のことという感じです。
下を見ないで歩くと、散乱したプラスチックコップや缶が度々足に当たります。
翌朝には、清掃員の方々が綺麗に回収し、また翌日のカーニバルに備えています。そういう光景もカーニバルの風物詩のひとつと言った印象を受けました。
マーストリヒトの一大祭典のカーニバル。その華やかさと楽しさの裏には、当然裏方の努力があります。それらをひっくるめてのカーニバルなのでしょう。そんな縁の下の苦労も感じながらカーニバルに参加すると、違った一面も見えてくる気がします。
感謝しつつ、思う存分楽しむ!
そんな行事に思えました。
【今日のオランダ語】
家族には本当に感謝しています。
Ik heb veel aan mijn familie te danken.
(イック ヘップ フェール アーン メイン ファミリ トゥ ダンケン)