オランダでの新年の迎え方(カウントダウン)はザ・打ち上げ花火です。
狂喜乱舞ってくらいに市民が総出で打ち上げ花火を打ち上げます。
想像を絶する量です。
オランダの年越しカウントダウン経験したので紹介します。
⒈ 新年は打ち上げ花火でお祝い |
そもそもオランダでは、一般市民が花火を購入する際に厳しい法規制を施しています。
普段から花火を購入して楽しむことはできないのです。ある限られた期間のみ花火が解禁されるため、国民のやる気も自然と上がるのでしょう。
まず、12歳以上でなければ花火は購入できません。さらに、店側は1人につき25kgまでしか売ってはいけません。花火を購入できるのは12月29日〜31日の3日間だけです。予約注文は出来ます。法律で許されている打ち上げ期間は、大晦日12月31日の午後6時〜新年1月1日の午前2時までです。
Dutch News. NLによれば
2016年から2017年へのカウントダウン花火の総売り上げは6800万ユーロに達っしました。昨年の6500万ユーロを越え、景気の回復を意味しているそうです。因みに、最高売上げ額は2010年の7300万ユーロです。オランダ国民の気合いを感じます。
私的な打ち上げ花火だけではありません。オランダの幾つかの都市では、正式なカウントダウン花火セレモニーが開催されています。ロッテルダムのエラスムス橋で行わている伝統的なカウントダウン花火には、今年は霧にもかかわらず60,000人が訪れたそうです。
僕も、1度は行ってみようと思います。
⒉ マーストリヒトの年越し・街の様子 |
2016年12月31日は、日が暮れてからはあちこちで花火の音が聞こえ始めます。そこら中で花火をしているので、アパートの窓から綺麗に花火が見えることもあります。23時45分頃に街に出てみました。毎年、街の中心を流れるマース河のほとりや橋に大勢の市民が集まります。そこで、みんな持ちうる花火と爆竹を亡くなるまで打ち続けます。
かなり厳しい法規制がなされているようですが、それも頷ける花火のクオリティーです。なんていうか、一般市民向けの域を超えている凄さです。
花火や爆竹の残骸はみなさん放置です。新年を迎えた直後に街を歩くと、その光景は秀逸です。まるで廃墟です。そこら中にゴミが散らかっていますが、翌日には、清掃員の方たちがきれいに片付けてくれます。
⒊ 気をつけながら楽しもう! |
伝統的な年越しイベントで、多くの人々が楽しみにしているようです。
しかし、少なからず問題も起きているようです。
Dutch News. NLによれば
街中で一斉に打ち上げられる花火によって、火事や車の炎上などが起きてしまうようです。今回のカウントダウンの間にオランダ全土で合計4024回の消防隊の出動要請があったとのことです。アムステルダムだけでも209回だそうです。
さらに、けが人も出ます。打ち上げ花火や爆竹の火花とは変による受傷が多いようです。年明けの眼科の受診率はかなり高くなり、中には失明する人もいます。
打ち上げ期間よりも前に花火を打ち上げることや、迷惑行為によって警察のお世話になる人もいます。今回は合計32人の逮捕者が出たそうです。
とはいえ、このような問題は毎年のことで、これでも年々良くなっているのだといいます。花火苦情ホットラインには今回45,000件の苦情が寄せられました。昨年の90,000件を大きく下回り、ここ5年間で最少となりました。
ホットライン管理者は人々はより周りに注意を配るようになってきていると発言しています。また、今年はオランダの20%の街が、花火禁止区域を設けました。そこからならより安全に花火鑑賞ができるとのことです。
何事も陰と陽の二面性がありますから、楽しいことにも危険な要素が潜んでいます。
それでも、伝統的に続いてきた文化ですから、これからも続けて欲しいなと思います。
今回、オランダでの年越しカウントダウンは初体験でした。(ドイツ留学時代にも、カウントダウンを経験しています。同じように、広場で花火を打ち上げる形式でした。)日本では間近では味わえない花火の迫力と、打ち上げられる数の多さに圧倒されながらも楽しい年越しができました。
花火をする人も、見に行く人も、節度と自己責任感をしっかり持って、カウントダウンを楽しめればいいですね。
夜空に打ち上げるのは、花火とその年の煩悩だけ。
羽目まで一緒に打ち上げないように。
【今日のオランダ語】
ああそこに花火が見えるよ!
Ik zie vuurwerk daar!
(イック ズィー フュールヴェルク ダール)