絵を描くのが得意なこともあり、よく知人から似顔絵や、ウェルカムボードを依頼されて描いています。
絵といえども、似顔絵ならではの難しさがあります。
⒈ 絵が得意=似顔絵が得意 では必ずしもない
よく思われがちな事は、絵が得意な人はみんな似顔絵が上手という事です。
が、必ずしもイコールではありません。
またその逆も然りです。
似顔絵というのは、ある特定の人物に似ている必要があります。
絵としてはどんなに上手に描けていても、その特定の人物に似ていなければ似顔絵ではありません。
逆のことも言えます。
絵としては簡素でちゃちゃっと描いた様なものでも、その特定の人物にそっくりなら上手な似顔絵なわけです。
ここが、似顔絵の最大の難しさであり、面白さです。
⒉ 似顔絵のポイント
前述した様に、似ていなければ似顔絵としては評価されません。
たとえ画力があっても、似ていないといけないのが似顔絵です。
似せる上でのポイントは3つあります。
①パーツの座標を捉える能力
②形態模写能力
③特徴を捉える能力
①と②は心身一体と考えています。
どんなに上手に各パーツの形態模写が出来ていても、それらを配置する場所に狂いが生じると別人になってしまいます。
単なる人物画を描くのであれば、人の顔としておかしくない場所に、目、鼻、口、耳、眉毛などが配置されていれば問題ないわけです。
あとはその人の画力や想像力、独創性が作品の質を決めていくだけです。
しかし、似顔絵の場合は、各パーツを正確なバランスで配置する能力がさらに要求されます。
そこができないと、いつまでたっても似ません。
なんとなーく似てるんだけど、なんか違うなぁー、、、という絵になってしまいます。
逆に、座標は正確に捉えられていても、各パーツの特徴を捉えられていないとこれもまた似てきません。
どちらもが、絶妙に折り合った時に似顔絵として成立します。
自分の場合は、その折り合い地点を見つけるのに、まだまだ時間がかかっています。
何度も描き直したりします。
路上や街頭で、その場で似顔絵を描いている人を時々見かけると思います。
あれは妙技です。
少なくとも自分にはまだまだ真似できません。
素晴らしい能力だといつも感心してしまいます。
③特徴を捉える能力 は②と似ているようですが、違います。
この能力が長けていると、いわゆるデフォルメ似顔絵が上手に描けます。
対象人物の顔の特徴を最大限に引き伸ばして(誇張して)描く似顔絵です。
私は得意ではありません。
以上の③つのポイントのパワーバランスによって、描かれる似顔絵のタイプが決まってきます。
つまり描き手の作風というものが決まるわけです。
⇧ここ最近の作品です。
⒊ まとめ
似顔絵を成立させるには、①パーツの座標を捉える能力 ②形態模写能力 ③特徴を捉える能力
が大切です。
そこに画力が加わればさらに良いものができると思います。
しかし、画力がなくても、上記の3つのポイントが揃えば成立してしまうのも似顔絵です。
絵が得意=似顔絵が得意 では必ずしもないことがここでわかると思います。
自分は絵を描くのは大好きです。
得意だとも思っています。
が、世の中には驚異的に絵の上手い人が沢山います。
まだまだ向上の余地がありまくります。
【今日のオランダ語】
ピカソの絵を買いたいな。
Ik zou graag een Picasso kopen.
(イック ゾウ フラーフ エン ピカソ コーペン)