セキセイインコの歯はクチバシと胃が担っている!

セキセイインコのスズメちゃん

“芸能人は歯が命”という有名なCMのフレーズがありましたね。

芸能人でなくとも、人間にとって歯は非常に大切なものです。

職業柄からも歯の重要性は痛感しています。

セキセイインコの場合はどうでしょう?

 

 

⒈ セキセイインコには歯がない

 

セキセイインコに限らず鳥には歯がありません。

歯がないというのは、解剖学的な歯牙はないということです。

強いて言えば、ガチョウ(ガン)やアヒル(マガモ)にはクチバシに凹凸が付いていて歯のように見えます。役割も水草などの餌をすりつぶすためで、歯と同じ機能を果たしていますが、歯ではありません。

 

そんなわけで、セキセイインコのスズメちゃんにも歯はありません。

虫歯とは無縁の人生なのです。

 

とはいえ、歯の役割をになうものは持っています。クチバシと胃(後胃・筋胃)です。

 

セキセイインコのスズメちゃん

 

 

 

⒉ セキセイインコの歯はクチバシと胃

 

歯の役割を果たすものとして、まずクチバシがあります。

クチバシは鍵爪状になっていて、上が長く、下が短い構造です。

 

餌を食べる時は、上顎のカーブした部分を上手に使います。
下顎と舌で餌をホールドしつつ、下のクチバシで綺麗に皮をむきます。少し大きめの穀物の場合は皮をむきながら多少クチバシで砕いて飲み込みますが、ほとんどは丸呑みです。

食事中のスズメちゃん

捕食時のイメージ

 

 

次に歯の役割を果たしてくれるのが、胃です。

セキセイインコには胃が2つあります。前胃(線胃)と後胃(筋胃・砂肝)に分かれています。

前胃は “腺胃” とも言われ、胃液を分泌して、餌と混合して後胃に送る働きをします。
後胃は “筋胃・砂肝” などとも呼ばれます。強い筋肉で出来ており、ここにはケラチン質の堅い部分があって粒餌をすりつぶします。またグリットと呼ばれる鉱物質が貯えられ、これを利用して堅い穀物餌を粉砕しているのです。

つまり、人間などの哺乳動物が口腔内でしている咀嚼を筋胃がしていることになります。

 

 

⒊ セキセイインコの歯磨き

 

歯を持つ人間は歯ブラシで歯を磨く必要があります。

歯がないセキセイインコは歯磨き自体は必要ありません。それでも似たようなことをしています。

 

“歯ぎしり” ならぬ “クチバシぎしり” です。

 

これは、上下のクチバシをこすり合わせる行為です。食後や、寝る前の眠い時、リラックスしている時によく目にします。ギョリギョリと音を立ててクチバシを擦り合わせて掃除をしています。

 

下のクチバシを磨ぐ目的もあります。

セキセイインコのクチバシは徐々に伸びてくるのです。放置して伸びすぎると餌がうまく食べられなくなります。そこで、自身でクチバシを研いでいるのです。

上のクチバシはどうやって磨ぐのかというと、木の枝の皮などをむきながら自然に研がれていきます。従って、クチバシを磨ぐ目的もあってゲージ内の止まり木は自然木の方が良いのです。

 

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セキセイインコは歯がないなりに、クチバシや筋胃で歯の役割を分担しています。そして、歯のお手入れならぬ、クチバシの手入れが重要であり、自然にそれを行っているのです。

我々人間も自身で歯のケアを行い、長く自分の歯で食事を楽しみたいものですね。

セキセイインコのスズメちゃん

 

 

 

 

【今日のオランダ語】
1日にせめて1回は歯を磨くべきだ。
Je moet minstens een keer per dag jouw tanden poetsen.
(イェ モートゥ ミンステンス エン ケール ペル ダッハ ヤゥ タンデン プーツェン)